来日したネパールのバンダリ労働・雇用・社会保障相が取材に応じ、在留資格「特定技能」を中心に日本向けの人材送り出しを強化する考えを明らかにした。就労目的なのに留学資格で来日したり、留学生に許される週28時間以内という就労ルールを逸脱したりする例が指摘されていた。
バンダリ氏は「ネパールでは毎年50万人が労働市場に新たに入る。国内は10万人分の雇用機会しかなく、40万人は海外で就労せざるをえない」と説明した。中東やマレーシアなどに渡って建設労働作業員として働く人が多いが、こうした国々の賃金水準は「魅力的ではない」と指摘。日本や韓国での就労を増やしたいと述べた。
所得の伸び悩みや円安の影響で日本を目指す外国人が減っているとの見方もあるが、バンダリ氏(ネパール労働相)は「ネパールから見れば先進国であり憧れの国であることは変わりない。賃金も十分魅力的だ」とした。
出入国在留管理庁の統計によると、日本に住むネパール国籍の人は2023年末時点で、176,000人。国、地域では6番目に多い。
留学資格が就労目的で使われているケースがあるとされる。「独で学ぶかは自由で、留学と出稼ぎはしっかり区別した方がいい。働くなら特定技能で来た方がいい」と強調した。
特定技能で来日するには日本語と技能の試験に合格する必要がある。ネパールでは多数の志望者に対し現地の試験会場などの手配が追い付いていない。申し込みサイトにアクセスが集中し、受験手続ができない例も多い。
バンダリ氏は「首都カトマンズは4~5ヵ所の試験会場を設けるべきだ」と主張。日本政府に環境整備を求めているという。
バンダリ氏は日本の人材会社などでつくる業界団体、外国人雇用協議会の主催するネパール雇用カンファレンスの講演で「日本など海外での就労がネパールの貧困や不公平の解消につながる」と訴え、今年制定した日本向けの人材送り出しルールを紹介した。(覧具雄人)
〚出展:日本経済新聞 2024年10月1日(月)版〛
留学目的での就労は、日本で生活をい助するといった意味では仕方がないと思われる。
あくまで規定(28時間/週)に沿った就労に限る。しかし、日本の学校で学び資格を習得して帰国することも必要と思われる。
環境整備に関しては、日本政府は積極的に支援をして、多くの人財を日本へ送り出し、人手不足の日本のために貢献してもらいたい。